にんげんはかんがえる葭である

よしもとみおりのブログ

gekidanU家公演企画Vol.6 「おいてきぼりの桜の園」

おいてきぼりの桜の園によせて。千秋楽が超満員になったので(本当にありがとうございます)観ることがかなわず、俳優の皆さんの声を聞きながら、いま受付でぽちぽちとこの文章を書いています。 わたしは作品をつくる時いつも、自分の持ってる疑問をスタートに…

『おいてきぼりの桜の園』解説集

こんにちは、劇作家のよしもとみおりです。 明日12月9日より、gekidanU最新作『おいてきぼりの桜の園』が初幕となります。 公演に先立ちまして、知っておくとより作品を楽しめる用語解説集をつくりました。 よければぜひごらんください。(当日会場でもお…

わたしのことを語ること(『いみいみ』と『おいてきぼりの桜の園』)

ここ数か月でわたしは「わたしのこと」を語ることがめっきりへたくそになった。語らなくていいと言われたからでもある。あれはわたしにとってエポックメーキングな出来事だった。そっか、語らなくていいんだ。と腑に落ちて、語るのを辞めて。今も「辞めるこ…

三年前と比べて

三年前の今頃、初めてテレビに出た。 バラエティで、ちゃんと紹介されて、演技をした。 その時は必死だったけど、今思い出すと楽しかった。 出演した番組を撮ったテレビ局は 19歳の時、うまれてはじめてバイトをしたテレビ局で、 あの時は芝居をするアイドル…

犬とチューリップ

犬とチューリップ、わたしの二大好きなものだ。今、目の前に二つが並んでいる。 友達の高橋喜和子ちゃんが気軽なブログを書いてて、わたしはそれを読むのが好きで、彼女の真似をして、気軽に文章を書いてみることにした。 それにしても、友達の書いた長い文…

欲望のはけ口

自分自身が他者の、それもとても大切だった人の欲望のはけ口にされていたと気がついて、崩れ落ちそうになりながら、崩れ落ちることなく、犬を抱いている。 もうそんなふうに人とは関わらない。たとえ誰にどんなに求められても。誰にどんなに怒られても。誰に…

無意識の差別とその再生産(観劇記録)

観劇をしているとよく、差別と向き合っている風の差別を助長する演劇に、出会う。昨日出会ってしまい、ぐったりとしている。劇団名で検索すると褒めたツイートばかりで心配になる。もしもこの作品が好評だったから再演しようと主催者が思ったら? おそろしい…

早く死んでしまいたい(もし毎日演劇がやれないなら)

早く死んでしまいたい、この気持ちとずっとたたかっている。かなりよわいちからであらがっている。 助けてほしいひとに助けてもらえないよしもとみおりは、他のどんなひとが必要だよっていってくれても、わたし自身には必要ない。だから、はやくこの肉体を捨…

『リアの跡地』ご感想ツイートまとめ

南千住で、gekidanU『リアの跡地』を観た。つまずきながらも立ち上がって突っ走っていく感じがとても良かった。脚本・演出はヒガシナオキ氏と葭本未織さんとのことで、葭本さん東京復帰だったので観に行ったのだが、この調子で東京でも頑張ってほしいなと思…

弔EXPO‘21 gekidanU回遊公演『リアの跡地』

弔EXPO‘21 gekidanU回遊公演「リアの跡地」 脚本・演出 ヒガシナオキ(gekidanU)、葭本未織(gekidanU) 2021年7月31日(土)~8月1日(日)・8月7日(土)~9日(月) 全日 13時・16時・19時 東京メトロ日比谷線 南千住駅南口集合・出発 Introduction 南千住って来た…

二年以上胸にずっとのしかかってたことをようやく言語化できた

二年以上胸にずっとのしかかってたことをようやく言語化できた。くわしくはAMの最新話をご覧ください。 am-our.com 以下所感。 この記事に書いた「2年ちょっと前のある出来事」が起こってから、正直2019年は気が狂いそうな日々だった。自分らしくないこ…

楽しいことを仕事にしろっていうけど

うまく頭が回らない時ってみんなどうしてるんだろう? 最近の自分はまたこの感覚になってきてしまって、とてもつらい。元気になるには時間がかかるっていうけど、どれぐらいの時間がかかるんだろう。早く元気になりたいな。 * たくさん泣いたりして、文章を…

リハビリとしての日記(11月24日)

めちゃくちゃに良い休日。朝から脱毛に行って、ネイルサロンで地爪にして、薬膳カレーを食べて、チーズケーキとコーヒーを飲んでる。もってきたノートパソコンはやっぱり重すぎたけど、それはそれ。現にこうしてコーヒー片手にカタカタ文章を打ち込んでるし…

2020年の秋冬のテーマは「内的一大事」

2年前のブログを読んだら泣けてきてしまった。わたしは本当によく頑張っていたな。そしてまたそういう頑張りを始めようとしている。 すっかり忘れていたのだけれど演劇をやっていたころの自分はシーズンごとにテーマを決めて制作をしていたらしい。(えらか…

もっともっとしあわせになる

珍しく〆切より早く原稿を上げられたので連休らしい連休を過ごしたシルバーウィークだった。一週間ぐらいパソコンに触れなかったせいか、文章をつくるのに時間がかかっている。「3日サボると取り戻すのに一週間かかる」みたいな言説は高圧的で嫌いだけど、…

つまんない話なんか書きたくない(全員『アンナ・カレーニナ』を読め)

つまんない話なんか書きたくない。見たことのある話も書きたくない。わたしはそういうの欲しくない。人生を変えるような話にしか出会いたくない。誰のためでもないわたしのために。書き手がそう思ってなきゃ、書き手にとって意義ある執筆活動にはならない。 …

わたしは期待に弱い(プロダクションノートその②)

どうせ誰も見てないんだけどやる、というメンタリティが自分には一番合っていると感じる。そういうときはのびのびと自分らしく、多少の反骨精神を持って、物事にとりくめる。だけど「あ、今わたし期待されてるぞ」と感じると、てんでダメになる。手も足も頭…

安い邦画でよくある田舎の小洒落た喫茶店とそこに入り浸る女は実在する

10月の目標は一日一回更新、と言っておきながら、あやうく更新しないところだった。あぶないあぶない。それでも9月の間は(3日間だけとは言え)毎日けっこうな分量を書いて連続更新できていたのに、10月に入った途端これだ。うっかり更新を忘れていた…

関西人の8割はびっくりすると椅子から転げ落ちる(吉本新喜劇についての所感)

昨日は朝一番に犬がわたしを書斎につれていってくれた。そんなファンタジックなことあるかい!と思われるかもしれないが、本当にあった。朝、目が覚めて部屋を出ると、廊下でひなたぼっこしている犬がいた。パタパタパタとしっぽを振って「なでて」とおねだ…

久しぶりのプロダクションノート(愛という名の支配)

今やりたいと思っていることが明確になった。ので、プロダクションノートをつける。「暴力とは、そしてその連鎖を断ち切るには」という、22歳の頃からずっとやっているテーマに昨日、新しい発見があった。そのことを物語にしたい。ここで書いてしまうと満…

小学生の時、隣のクラスの担任にいじめられてた話

もう9月が終わる。一年が早すぎるよ!9月は色んなことがあってなかなかブログを書く時間が取れなかった。10月の目標は一日一回ツイッター更新です。ツイ廃だった昔の自分が読んだらびっくりしそうだな。 本当はブログのほうを毎日更新したいけど、なかな…

あるアクシデントとパニック、いくつかのメモ

あたらしいノートを買った。ノートを買うとふしぎと気持ちに区切りがつく。なんでもない日が、何かを新しく始める日になる。 * と、ここまで書いてショックなことが起こってしまった。気持ちがそちらのほうへ持っていかれる。ダメダメ、もっといつものわた…

9月の一週目を終えて①働き始めた

全ての用意を済ませてカフェへ出かける直前、ほんの一瞬、ソファの上に座ったら犬が来て膝の上で眠り始めてしまった。こうなると、とてもじゃないが出かけられない。えーん、犬は可愛い。そしてその可愛さは強い、わたしは弱い。いや、弱いのはわたしの「家…

はちがつのおわり

犬の散歩の途中、草むらから虫の大きく鳴く声がして、ああ八月も終わるのかと思った。秋の訪れを耳から知る。まだ風は生ぬるいけれど。そういう暮らし方をはじめてからもうすぐ一年になる。 演劇、演劇、一息つかずに演劇。そんな長いこと続けてきた生活をや…

朝からメールを返せると気分がいい

タイトルのままだ。はてなをブログっていうかツイッターの代わりにしはじめてから、なんか良いこと書かなきゃ!!!それらしいこと書かなきゃ!!!みたいな強迫感が無くなったので嬉しい。一時期ツイッターには2500人ぐらいのフォロワーがいて、それはさし…

自分のことを大切にしている他人が大嫌い

自分のことを大切にしている他人が大嫌い。って人が世の中に多すぎる。むかしはそうでもなかったのに、そういう人の毒気にあてられて、わたしもそういう人間になりつつある。そういう人はものすごい邪(じゃ)なパワーを持っているから、もう二度とその毒に…

なぜ書くのか

一日2時間だけ執筆する、と決めたら当社比ではかどるようになった。この2時間は連続した2時間でもいいし、1時間、1時間と別れていてもいい。とにかくその2時間だけは書くのだ。あとは好きなことをする。というか、書かない。書こうとしない。 なぜ書く…

起きることへのプレッシャーから夜眠れなかったわたしの話

とにかくねむい!ねむくない時間がほんの一瞬しかない。こうして文章を打ってる時も眠い。でも今はっぴーなのは、仕事のことを考えなければ、いつでも眠っていいことだ。 一生懸命東京で働いていたころ、夢の一つが「好きな時に眠れる人になること」だった。…

賢い犬

あ~だめ!犬の愛らしい誘惑に負けて寝てしまう!俺は外に出る!出たくないけど!という気持ちで用意していたら、その心が犬に伝わったのか、彼はいつものオットマンの上にのぼって眠り始めた。ほら、ちゃんといい子で寝てるでしょ、お姉ちゃんもおうちでお…

嫌いのちから

半月ぐらい、欲の無い生活を送っていた。入院したこともあって、生きてるだけで本当に人生って素晴らしいな、という気持ちでいっぱいになるようになった。心を占めていた人間関係のあれやこれやもスッと消えてしまって、ああそんなこともあったなあ、と無感…