にんげんはかんがえる葭である

よしもとみおりのブログ

よく寝る犬

犬の情緒が安定している。理由は簡単。母の仕事が夏休みになり、24時間家に2人以上の人がいるようになったからだ。子供と同じで、あっちにもこっちにも居場所がある、と思うと、犬は安定する。わたしとふたりっきりの時は、常に鳴いては「ぼくをかまってくれないなんてお姉ちゃんはひどい……ひどい!!!」と喚く犬なのだが、母の休暇がはじまってから日の半分を静かに寝ている。寝ている場所はわたしのデスクの横に置いたオットマンの上だ。どこかしらを人にくっつけないと寝れない犬のために常に伸脚のポーズをとらされているので、できれば自分のベッドで寝てほしいなあ……としびれた足をさすりながら思いはするが、それにしたって大進歩だ。

願わくば、母の休暇が終わっても、犬の一人寝が続きますように。

犬の大進歩に比べてわたしの進捗はとっても良くない。まずとっても眠い。一日平気で十何時間も眠れてしまう。それに、起きているわずかなあいだにパソコンに向かっても、こうやってブログを書いたり、「ていねいなせいかつ」系YouTuberを見ては、「あ、今日はまだここを掃除できてなかったな」なんてせっせと片付けを始める始末である。

たぶん、書きたくないんだと思う。書くとしんどくなるようなことを書こうとしているから。それでいて書こうとすると「それ以上はあぶないですよ!」と自己防衛機能がはたらいて、あんまり深みに到達できない。上澄みだけの薄っぺらな物語になりそうになる。それが怖い。とてもとても、怖い。

犬に食事を出して、散歩に行った。またオットマンの上でへたりと眠る犬を見ながら、今度こそ頑張ろうとわたしは思うのだった。