今日の稽古は夏の匂いがした。二度と来ないと思っていた夏がまた巡り来て、緑が目に染みる。一つの言葉も漏らさずに、僕は君のことを描きたい。
昨日、狩野さんと夜更けまで話したことがある。
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なにかというと、『光の祭典』のことで、
母の買ってくれた兵庫の日本酒(黒松白鹿純米吟醸)を飲みながら、
ひたすらに、
主人公の「まこと」のこと、
相手役の「江上」のこと、
これまた相手役の「富田」や「麻生」のこと、
他にもたくさん、というかすべてのキャラクターのことと、
その背景、意識、思いを、話して、
(早く稽古場でも、いやすでに限界やで!というぐらいしてはいるのだけど、もっともっと語りたい)
ふと、「深く愛している」という形容を自分が使っていることに気がついた。
江上はまことを深く愛していて、富田もまたまことを深く愛している。
滝内も江上を深く愛していて、夢波もある意味では富田のことを深く愛している。
まことは何よりも映画を愛していて、きっと藤原もそう。
愛とは、暴力装置ではない。たとえ一方通行であったとしても。
愛とは奪うことではなく、捧げることでもない。
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深く愛するという感覚を今、描きたいと思っている。
そのために新作を書いている。
愛について考えると、今まで自分が描いてこなかった「なぜ愛したのか」という端緒にふと突き当たる。
キャラクターはなぜ、キャラクターのことを愛したのか。
かつては、それには意味などないと思っていた。
けれど、すべての排したものがまるですべて自分に帰ってくるようだ。
『光の祭典』を、新しく組み立てながら、全く違うということを知る。
一年前の自分と今日の自分は全く違うし、
そのことが、この作品も意味を変える。
心というものがまったく違って、
全然違う受け止め方をする。
加筆修正するかもしれない。
でも、今はこのままで。
◇
少女都市
『光の祭典』
日時
6/1(金)19:00
6/2(土)14:00 / 19:00
6/3(日)11:00 / 15:30
チケット
ファストパス(優先入場) 3500円
前売3000円
学生2800円
ご予約
ファストパス http://engeki.jp/pass/events/detail/417
前売り https://ticket.corich.jp/apply/91467/
今日の稽古は夏の匂いがした。二度と来ないと思っていた夏がまた巡り来て、緑が目に染みる。一つの言葉も漏らさずに、僕は君のことを描きたい。