にんげんはかんがえる葭である

よしもとみおりのブログ

向井坂良い子まであと11日/ キャスト紹介①前原麻希さん

『永浜』がおわり、ヒャッホーウ次は『向井坂良い子と長い呪いの歌』だ!5月末なんてまだまだ先でしょ!と言っていたら秒で5月末が見えてまいりました。

 

ということで、今日から何回かに分けてキャスト紹介をします!

 

まずは演出家・伏見京子役、前原麻希さん

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前原麻希 まえはらまき
2012年より約4年間蜷川幸雄の元で演出助手として活動した後、2016年より本格的に役者活動を再開。
舞台を中心に活動しており、
主な出演作として、
NODA・MAP「ザ・キャラクター」
蜷川幸雄演出「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~」「青い種子は太陽のなかにある」
近年では、
瀬戸山美咲演出「たまたま」
mizhen「溶けない世界と」
流山児★事務所「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた
映像では、瀬々敬久監督「菊とギロチン」 に大関・梅の里役で出演し、現在公開中。

 

 

オーディションで来てくださった女優さんです。

 

最初に芸歴書を拝見した時に

ニ、蜷川幸雄〜〜?!?!?

ノ、NODA・MAP〜〜?!?!?!

と、頭が?!?!になるとともに

き、菊とギロチン〜〜?!?!?!

と大興奮してしまいました。

(大好きな映画なのです)

 

麻希さんには今回、伏見京子という演出家の役を演じていただきます。

 

オーディションの時から、この人良いなあとしみじみしていたのですが、お稽古をしながらより深みが出てきて毎回のお稽古が楽しいです。彼女の良さをより引き出すには?と、良い意味でトライアンドエラーの日々で、演出としてとても楽しく過ごさせてもらっています。(これは他のキャストの方にも言えることだけど)

 

お稽古を始めてみて、初演にも出てくれた小関さんに「前回の京子先生と声が似てるね」と言われて、たしかに。わたしこういう声が好きなんだなあと改めて思いました。

 

さて、役の話です。

伏見京子という役は、わたしの考える演出家の業みたいなのを詰め込みました。

演出家ってきっと、ひたむきで、明るさがあって、可愛らしい人が多いのではないかなとわたしは思います。

だから役者は演出家というものに付いて行きたくなってしまう。

けれど同時に、気まぐれで、暴力的で、特権的であることに無自覚なワガママな人間であることが多い。

それはわたし自身を振り返り、そう感じます。

良いとか悪いとかの話をしてるのではないです。

なぜなら、演出家って一種、普通の人間であることが不可能になってしまう職業だと思っているからです。

人を素晴らしい気持ちにさせたり、ズタズタに傷つけたりしてしまえる、いやそれこそが本業の職業。

そういった演出という役割そのものが持つ業を、今回描いています。

 

また一方で、伏見京子には、役者のわたしが愛してしまう演出家という存在への想いも仮託させています。

リーダーというものがすべからくそうであるように、演出家もまた孤独です。

荒野の中、作品の輪郭を生み出すために突き進む姿は頼もしく、愛おしく、危険で。

役者のわたしはどうしても演出家を愛さずにはいられません。

そういった思慕の対象としての、憧れの人としての演出家。

二つの異なる演出家の側面を、前原麻希という女優を通して描きたいと思っています。

 

 

実は、初演時にあーでもないこーでもないと台本をいじっている時、大学の先生にこう言われました。

 

「この話、伏見京子が主役じゃん」

 

いやー!そんな!この話は向井坂良い子が主役なんです!と叫び、プロットを変えたのですが(そして無事に向井坂良い子が主役となる台本が出来上がったのですが)

それぐらいわたしにとって伏見京子とは大きく、可愛らしく、乱暴で、目の離せられないキャラクターです。

 

今回、そのキャラクターが、麻希さんの身体を通して動いているのを見て、さらなる発見をしました。

 

伏見京子ってとってもとっても抑圧されてるんですよね。

 

えっさっきと言ってることちがうじゃーん!と思われそうですが、麻希さんの京子を見ていて、演出家もまた演出家になる過程でさまざまな抑圧を経てそのポジションに付いているのではないか。だからこそ、かつて自分が受けた抑圧と、今自分が他者へ行おうとしている抑圧のはざまで苦しむのではないか。

そんな演出家像が見えてきました。

 

向井坂良い子と長い呪いの歌、いよいよ10日後に幕が開きます!

どうぞお越しくださいませ。

 

 

少女都市第7回公演
東京駆ける三公演 第2弾

‪『向井坂良い子と長い呪いの歌』‬

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5/21(火) 20:00(初日!)

5/24(金) 14:00☆(追加公演!)

・・・・20:00(3ステージ目!)

5/25(土) 13:00☆(トークゲスト:ひらりさ)

・・・・18:00☆(トークゲスト:佐々木ののか)

5/26(日) 12:00☆(トークゲスト:大川枝里子)

・・・・16:00(千秋楽!)

 

チケット

U25 3500円
一般 4000円

☆事前購入で

U25 3000円

一般 3500円と、

500円お得になります!


‪●振込・当日精算‬
http://ticket.corich.jp/apply/99431/


‪●クレジット‬
https://engeki.jp/pass/events/detail/576


シアターグリーンBASE THEATER‬
‪(池袋駅東口より徒歩6分)‬
〒171-0022 豊島区南池袋2-20-4


ほか詳細
少女都市

 

それでは、愛を込めて。

 

よしもとみおり