にんげんはかんがえる葭である

よしもとみおりのブログ

弟と私と親

「あんね、こういうことあったんよ」

 

と弟に電話すると、だいたい、「お姉ちゃんそういうの多ない?」とは言いながら、彼は「お姉ちゃんが悪かったんちゃうん?」とは言わない。同じことを他の人に言っても、きっとみんなそんなひどいこと言わないのは知ってる。でも、そう言われるんじゃないかなと怖くて言えない。本心は人に言えない、そう言われると思うと。とここまで打っていたら、サジェストで「そう言われるととても嬉しいです」と出て来て、笑えねえ、と思った。この一文を書いてる時、わたしの本心はどれぐらいあるかな。

 

人間は簡単に人間のことを傷つける。私もすぐ人のことを傷つける。弟は本当にいいやつで、でも弟も人間だから、同じように誰かを傷つけたことあるんだろうかと考えてしまう。傷つけられた人が、永遠に弟を恨んでたらどうしよう。私が小学生の時の同級生を今でも恨んでいるみたいに。

 

わたしは弟が大好きだ。と、素直に言うのをはばかられるぐらいには、弟にひどいことばかりしてきた。どうぞ弟が忘れてますようにと心の底から思う。

もしかして、とふと思った。親も同じような気持ちを持つのかな。夜更けにふと、失敗ばかりを思い出して、ああどうかこの子が覚えてませんように、と。

 

親になるって大変だな。姉になるのが大変だったように。そんできっと弟になるのも大変なんだ。子供になるのとおんなじぐらいに。

 

初めて家族のことが書けた。少し嬉しい気持ちで、寝る。